幸せの黄色いホーン レコードプレーヤー製作記 14話 68アーム(1)


2009年の夏に始まったリニアトラッキングアームのドタバタ開発劇は10月中旬になって一段落。
それからはLM4Lの試作アームを3ヵ月間使用しました。
どのような問題があるのかをじっくりと観察するためです。

問題点は以下の2つ。
まず、リニアシャフトに塵がついたりリニアブッシュの内部に塵が侵入するとミストラッキングを生じるということ。
それから、水平方向(移動方向)の感度が鈍く、未だにAT-DS3以外のカートリッジを使用する気持ちになれないということです。
しかし、一応実用になりますし音質的な問題もないので先に進みたいと思います。
いろいろなことを試しているうちに問題解決の糸口を見つけることが出来るかもしれません。

今までの試作アームに黄色いヘッドシェルを利用したのは、リニアブッシュの作動実験がメインであり、ヘッドシェル部分の工作を考えている余裕がなかったから。
今回はヘッドシェル部分も製作したいと思います。




図面の2種類のアームは、極めて低レベルの工作技術でも作れるようにと設計したものです。
上が6mmシャフトと8mmシャフトを組み合わせたタイプ。
下が8mmシャフトだけのタイプ。
細いアームパイプがカッコいいのと軽量化を図れそうなので、6mmシャフトと8mmシャフトを組み合わせたタイプを製作することにしました。
このアームは6mmシャフトと8mmシャフトなので「68アーム」と名付けました。




68タイプ用の部品の製作。
いつものようにカナノコを使用してモタモタゴリゴリと切断。

直径8mm(厚さ1mm)のアルミパイプの長さは約80mm。
直径6mm(厚さ1mm)のアルミパイプの長さは約125mm。
ヘッドシェル部は20×15×3mmのアルミ平板。
それから指掛けは、20mm×15mmのL字型アルミアングル材(厚さ2mm)を約7mmの幅で切断。
その切断の前に15mmの板を長手方向に7mmほど切り込んでおきました。
指掛けはもうちょっと細くしたいです。

パイプの端面処理に電動ドリルを使用することを思いつきました。
ドリルのチャッキングを利用してパイプを固定。
このときパイプにビニールテープを巻いておくと傷がつきません。
ドリルでパイプを回転させながらヤスリを当てるだけ。
轆轤の要領。
パイプ端面内側も細く折った紙やすりを突っ込む。
こういうやり方は知られているのかも。
ま、そんなことはどうでもいいか。
ともかく綺麗に仕上がるし、非常に楽です。



仕上げが終わった68タイプの各パーツ。
直立している直径8mmパイプの小穴は、アース線を絡げるためのもの。
横たわっているのは直径6mmのパイプ。
そして、作り直して幅5mmと細くなった指掛けとヘッドシェル部。





指掛けはカートリッジの取付けボルトと共締めになっているため、そのまま取付けるとボルトを中心にしてクルクル回転してしまいます。
そこで指掛けには段部を作りました。
この段部がヘッドシェル部の角部分に当たるため、指掛けはしっかりとヘッドシェル部に固定され、クルクル回ったりしません。



6mmパイプの前端側には、直径4mm、長さ10mmのアルミ棒が挿入されています。
このアルミ棒は2液式のエポキシ樹脂系接着剤により接着。
接着剤の硬化後、6mmパイプの後端側をドリルのチャックに取り付け回転。
6mmパイプとアルミ棒の端面が平坦になるようにヤスリで加工しました。
荒らしてある部分はヘッドシェル部上面との接着面となります。
小穴はリード線導入用です。


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