幸せの黄色いホーン レコードプレーヤー製作記 09話 試作機の構成


リニアブッシュのLM10を使用した妄想アームの重さはショックでした。
しかし、ショックの余韻を楽しんだら、次のステップへ。
直径5mmのリニアシャフトと5mmシャフト用のLM5UUというリニアブッシュを入手しました。
LM5UUはLM10に比べると非常に軽くて小さいです。



ところが、このLM5UUは両側にゴムシールがあり、そのゴムシールがシャフトに密着するためにぜんぜん滑りません。
がっかりです。
シールを取り外そうとしましたが、手荒に作業したら壊れてしまいました。
仕方なくTHKのシールなしの普通のLM5と、日本ベアリングのSM5を発注しました。

LM10用の妄想アーム用のパイジョンを使用しないのはもったいないです。
そこで、直径5mmのリニアシャフトは、直径19mmのアルミパイプに取り付けたLJ200に支持させることにしました。
そして、垂直に立っている直径19mmのアルミパイプの下端を支持するためのPL601も入手。


PL601


また、直交する直径10mmの2つの穴を持つPF200というパイジョンも。
これでアームパイプとリニアブッシュを支持します。



PF200


LM5とSM5を除き、役者が揃ったので試作機を組み上げてみました。
なお、アームパイプとなるアルミパイプの直径が10mmではなく10.1mmだったため、PF200の一方の穴の内壁を少し削りました。



直径5mmのリニアシャフトは、LJ200の直径13mmの穴に支持させます。
このため、13mmの穴に5mmのシャフトをがっちり固定しなければなりません。
直径12mm、10mm、8mmのアルミパイプ(何れも1mm厚)を入れ子にすることを考え、さらに、各パイプにスリットを入れて断面がCの字型になるようにしました。
さらに、直径12mmと8mmのアルミパイプの表面にアルミテープを巻き、リニアシャフトにもアルミテープを巻きました。
アルミテープの巻き数の調整等、かなり苦労したものの、何とかリニアシャフトを固定できました。





さらに、実験用の台座を作り、端子板を作り、リードチップを半田付け。
配線材はモガミの2706。
ヨハネスさんに教えて頂きました。
大変細くて柔らかく、これならアームのスライド移動にも全く影響を与えないと思います。
被覆ビニールは爪をたてて引っ張るだけでとれてしまいます。



入手したリードチップのソケットの穴がかなり小さいのでカートリッジのピンにいったん通して穴を広げ、それから半田付けしました。
リードチップの背面側を半田付けするとソケットの穴に半田が侵入しません。

アームパイプの支点後部を上から押さえるアームレストを考案。
金属パイプ部分を回転できるように細工すればアームリフターになるような気がします。



RCAの端子部分です。
端子は断面L字型のアルミアングル材を加工して固定しました。



アーム全体をグルッと回転させ、裏側が見えてる状態です。
モガミ2706は、白、赤、青、黒の4色。
アーム支点後部に大き目の穴をあけて、カートリッジからの4本のコードが出ています。
その大きな穴のそばに小さな穴をあけ、これら2つの穴の間に細い銅線をからげ、この銅線にもう一本の黒コードを半田付けしてアームのアース線としました。



こんな具合に行きあたりばったりでなんとなく出来てしまった試作機。
後に分かってくるのですが、この構成はとてもよかった。
アームの高さ調整、アームとターンテーブルの位置関係の調整、アームパイプの回転によるシェルの水平調整、アームパイプの位置調整による実効長の調整、メンテナンスのしやすさなど、全ての条件をクリアしていたのです。
リニアブッシュのLM5とSM5が届いていないので、当然トラッキングせず針飛びを起こすものの、無事、音が出ました。




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