幸せの黄色いホーン レコードプレーヤー製作記 08話 AT−DS3


手持ちのカートリッジは3個だけ。
SL-1700にくっついてきた270C、WE308Lの箱の中に入っていた4000DVとAT32。
270Cは素性が知れず、4000DVとAT32は25年の眠りからさめた状態。
やはり新品のカートリッジがほしいです。

あれこれ探しているうちに、AT-DS3/G YLという名前が長くて覚えられないカートリッジを発見。
シェル付きなのにアマゾンで5524円。
う〜ん、安い。
針圧が4gまで可能で、0.9mmの極太アルミカンチレバーというDJ用。
おまけに9mVという高出力なのだそうです。



購入後に気付いたのは、この高出力がDCX2496の低い入力感度をある程度補ってくれること。
しかし、VM型とかMM型というのは高出力でなければならないのだろうか。
こうした固定型コイルの巻き数を減らしてMC型の出力並に低下させるとどうなのだろう。
今ではネオジム磁石もあるわけだし、従来にないようなMM型を作れるのでは?

ところで、このAT-DS3/G YLというのは真っ黒なAT-DS3をシェル付きにし部分的に黄色にしたもの。
このマグネシウム合金製のシェルに注目した。
シェルのネック部にアルミパイプを挿入できるのではないかと考えたから。



実物は画像の黄色っぽい色とは異なり、山吹色。
なかなか戦闘的なデザイン。
針圧3.5g、大量の埃をくっつけたまま平然とトレースします。



ネック部は簡単に外れました。
そこに直径10mm、厚さ1mmのアルミパイプにシェルを取り付けてみました。
ネック部のパイプ直径は11.5mm。
0.1mm厚のアルミテープをアルミパイプに巻いてみたところ、具合良く装着できました。
なお、ノギスを購入しWE-308Lのアームパイプも計ってみたところ、これは直径10mmでした。



数ヶ月使用してもAT-DS3の音に不満はないです。
これでいいんじゃないだろうかと思うのは、白ホーンシステムのエージングが進んできたため。
A5とは次元の違う音を響かせる化け物スピーカーなので、ソースがお粗末でも凄い音で鳴ってしまう。

そんな音を聴きながら思うのは、カートリッジの音質って何だろうかという疑問。
普通のピボットタイプのトーンアームというのは、トラッキングエラーから逃れられない。
これではカートリッジはご機嫌な状態で働けない。
普通のアームで聴くカートリッジの音というのは、そういう状態における音ではなかろうか。

カートリッジのご機嫌な状態での音は、やはりリニアトラッキングアームでしか聴けない。
音溝の左右壁面に適正にコンタクト。
これがズレてしまえば位相もへったくれもない。
楕円針とかラインコンタクト針などのスタイラスチップは、カンチレバーに対して角度をつけて取付ければどうか。

とこんな風に考えてみたりするものの、オーディオはそんな要素だけで音が決まるわけでもない。
もっと多くの要素が絡み合う。
だから、リニアトラッキングアームによる音の差など僅かなのでしょう。
そういうことにしておこう。


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