幸せの黄色いホーン レコードプレーヤー製作記 04話 工作実況中継(2)


さあ、アクリルの加工です。
加工というのは、M4やM5ボルト用の穴をドリルであけることと、WE308Lの取り付け穴をホールソーであけることです。

アクリルは欠けやすいので手加減をしながらドリルやホールソーで穴をあけました。
実はホールソーを使用するのも今回が初めて。
アクリルが摩擦熱で溶けてしまうのを防ぐため、水滴を垂らしながら休み休み慎重に穴をあけてゆきます。
休み休み行うのは冷却するためです。
直径27mmのホールソーでの仕上がりは非常に良好でした。

プラットホーム部分の穴あけが終わったので、アームを乗せてみました。
2枚重ねのアクリル板がずれるのを防ぐために周囲をスコッチテープでぐるりと巻きます。
1枚目を貫通し、2枚目に少々ドリルの先端がくい込んだ状態でスコッチテープをはがし、2枚目の穿孔作業をします。
ホールソーやドリル作業には垂直に穴をあけるためのドリルガイドを使用します。



仮組み、というか、これで本体はほぼ完成。
非常に簡単に製作できます。
仕上げがいらないのがともかく楽。



モーターは真鍮製のスペーサーを介してアクリル板から浮かしたような状態で取り付けました。
この真鍮製のスペーサーは、ノーマルのPL-30Lに使用されているものを流用しています。
ええっと、どうしてスペーサーを使用したかというと、使用したほうがカッコよかったから…



プラットホームは、右手の小指側部をこれに乗せ正確に針を落とすことを考え、設けました。
しかし、これは考えすぎ。
そんな使い方はしないです。
かなり雑に"ドン"と針を落下させてしまいます。
当然、アームリフターなんか使用しません。

ターンテーブルには、1.5mm厚のステンレス板がのっけてあります。
このステンレス板の重さは約0.8kg。
5枚あるので、約4kgまで増加できます。



PL-30Lの臓物は、1枚の制御基板、トランス、スイッチ部の3つです。
そのスイッチ部というのは、ターンテーブルの周囲にはみ出したプラスチック製のカバー部分に取付けられています。
当初はこのスイッチを金属製のトグルスイッチに変更して、小型の金属ケースにカッコよくスイッチとLEDランプを並べてみたいと思っていました。
しかし、プラスチック製のカバーを見ているうちにその形が面白いことに気付きました。



裏返すと…がらんどう。
しかも、たいした厚さではありません。



スイッチやLEDを取り外し、おもむろに無駄な部分を切ります。
とても簡単に切れます。
ノコは、工作用の刃の薄いタイプ。



こんな扇型になってしまうと、元の形がつまらないカバーであることを連想できなくなります。
トグルスイッチよりも遥かにユーモアがある。



今度は制御基板、トランス、スイッチ部を収める箱の製作。
9mm厚のMDFを使用した箱のサイズは300mm×218mm×98mmです。
MDFは初めて使用しましたが、これはとても加工がしやすい。
スピーカーにはちょっと使えないですが、こうした用途にはもってこいのような。

切断されている白、灰色、それから4色のリード線、これはオートリフト関係だと思います。
切断された状態でもモーターの作動には影響を与えません。

基板は4本のM3ボルトで固定します。
スペーサーはノーマルのPL-30Lに使用されているものを流用します。
トランスは、防振ゴムの下にワッシャーを10枚程度重ね、底板から浮いた状態でM6ボルトで取付けました。
トランスのシールド板は使用しませんでした。

背板にあけた電源コードを通す穴と、モーターと接続するカプラーを通す穴は、それぞれ直径27mmのホールソーを使用しました。
この程度の大きさがあると、モーターと接続するカプラーが通ります。



スイッチ部の形状に合わせて電動ジグソーで穴をあけます。
また、サグリしてある部分のボルト1本だけでスイッチ部を固定します。



四角い箱というつまらない印象を崩すことができたと思います。
お金もかからず、優れたデザイン?



つや消しの黒に塗装することにより、形状の面白さを強調します。
汚れや傷も消えてしまいます。
ついでにパイオニアのロゴも消え、これで国籍不明です。



小さなパーツの加工だけですから、とても楽。
巨大なスピーカーの工作に比べると簡単でした。


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