幸せの黄色いホーン レコードプレーヤー製作記 02話 PL−30L


SL-1700ではなんとなくもの足りません。
作ってみたいなぁという想いがつのります。
しかし、作るのが楽しみなのですから、何も高価なターンテーブルやアームを購入する必要はありません。
むしろ、お金をかけない方が工夫するから楽しめます。



パイオニアのPL-30L、アームなし、というのをヤフオクで落札しました。
非常に安価であったこと、それから、リフトアップの配線が予め切断されていたため悩まずにすみました。



どんなデザインにしようかしら。
最初に頭に浮かんだのは、多連フェーダーのイメージでした。
このフェーダーのデザインは精密感があり、また、ずっしりとした重量感が素敵なのです。
さらに、ありがちな積層合板のプレーヤーは作りたくない。
積層合板で自作プレーヤーを作った経験があるため、また同じことをするのがなんとなくイヤなのです。

という訳でオールメタルの雰囲気で仕上げることを考えながら妄想図面を次から次へと。



エアベアリングのリニアトラッキングアームとWE308Lのダブルアーム仕様にしよう。
多連フェーダー風にデザインすると、両端をアルミサイコロに支持させた2つの細長いアルミ板にPL-30Lのターンテーブル部を支持させるのはどうか。
かなりシンプルな雰囲気。



片方のアルミ板を延長すればWE-308Lを取付けられる…



こんな具合にデザインの構想がどんどん広がります。
さらに、エアベアリングの実験、モーターの基板類を収める箱、エア供給の静音箱の製作。
色々こしらえないといけない。
モタモタ病なので、これは時間がかかりそうです。

妄想で頭がふわふわ状態になったころPL-30Lが届きました。
電磁ブレーキ付き。
試してみると両方向サーボのような気がします。

プラッターは3つの小ネジで取り付けられており、これを外すと…
ありゃりゃ、モーターは底部で支持されています。
回りの輪っかはプラスチックであり、完全に飾り。
う〜む、これでは多連フェーダー風のデザインは無理です。

行き詰ってしまったので逃避行動。
SL-1700の接触不良気味の直出しフォノケーブルを交換。
こんなんで音が良くなるのがアナログ。
とても楽しいです。

さらにTA-F222ESJにMC/MM切替えスイッチがあることを発見。
ぜんぜん知らなかったのが呑気だね。
ゲイン稼ぐだけのタイプだと思います。
早速オーディオテクニカのMC型をSL-1700に取付けて…

…愕然。
れれれれレコードって、ここここんなに良かったっけ?

カートリッジをシェルから外すと、シェル側の面にAT32という型番のシール。
MC型 針圧1.2〜1.8g 負荷抵抗17Ω 楕円 6.8g 1979年発売 デュアルムービングコイル採用、だそうです。
こんな記事を読むと、なるほどと思いました。

AT32を眺めていると、だんだんと当時のことを思い出してきました。
ビクターのU-1Eというシェル一体型のカートリッジを4000DVの次に購入。
このカートリッジとCA-F1の組み合わせが気に入っていたけれど、残念ながらカンチレバーを折ってしまう。
そこで針を買う代わりにAT32を購入し、サンスイのCA-F1のMCヘッドアンプを生かそうと、そんなことだったような。

Victor U-1E
定価:19,500円
形式:MM型カートリッジ
出力電圧:3mV(1kHz、5cm/s)
再生周波数:10Hz〜40kHz
クロストーク:25dB (1kHz)
コンプライアンス:12×10‐6cm/dyne
針圧:1.5±0.2g
負荷:47〜100kΩ
使用針:0.1mm角ブロックダイヤモンド楕円針(0.3×0.7mil)
カンチレバー:ジュラルミン・テーパードパイプ、表面チタン・ナイトライド処理
オーバーハング調整範囲:針先からカートリッジ取付面まで46〜52mm
自重:22g

このU-1Eは長岡鉄男氏がほめていたんだよね。
残念ながら当時は評論家の奴隷だった。



PL-30Lのプラッターの上に約17.5インチのアルミ板、さらにその上に12インチ弱の非磁性体のステンレス板をのせてみました。
テストドライブ、起動、電磁ブレーキに異常なし。
巨大なターンテーブルにした場合、どんなデザインが可能だろうか考えてみる。

ステンレス板は硬い。
ドリルで穴を開けるのが大変でした。
それとも、ドリル刃がダメになっているだけなのかなぁ…
でも、苦労した甲斐があり、センターはばっちり出ています。

フォノモーターの支持方法を考慮しながらプレーヤーの材質を検討。
合板が面白くないならアクリル板はどうだろう。
モーターの底部をボルト止めするだけなのだから、アクリル板にドリルで小さな穴をあけるだけですむ。
これは楽だし、合板に比べると仕上がりが夢のように美しいはず。
というわけで、アクリル板の透明感と立体感を生かすようなデザインを考えてみました。



う〜ん、うまくいくのだろうか。
とりあえずWE308Lの取り付け穴をあけるためのホールソーを購入。
それから、アルミの端材をヤフオクのショップから購入。
アルミ円柱の脚部は直径70mm×高さ32mmとなかなか贅沢。
アクリル板は10mm厚を重ねて使用するつもりです。


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