セブンのお話 04話 大当たりの車

お世話になっている先輩に見せたところ、これからこの車で場外馬券場に乗り付けて馬券を買おう、そういうのが似合うぞとおっしゃる。そしてリアシートにお座りになると「新車みたいじゃないの」「冗談で買うなら最高の車だね」「おい、足が組めるぞ」などとおっしゃる。そのとき購入された馬券はなんと500倍だったそうで「これは幸運を呼び込む車だね」とほめられました。

と、そこまでは良かったのですが、2005年のクリスマスイブに事故まで頂戴してしまいました。免許をとって26年間無事故だったのに。事故の原因は高齢者特有のうっかり運転。

安全確認さえもお忘れになられたジイサマ運転のトヨタヴィツ号が右側の脇道から元気よく飛び出してきて渋滞に並びながら徐行、というよりほぼ停止しているような状態の750iLの右前方にぶつかりました。右フロントフェンダーをへこませ、続いてバンパー右側を打ち抜くように駆け抜けるという荒業。お一人で勝手に勝負されていたようです。こちらの損害はフロントフェンダーやバンパーの交換等で64万円。



ジイサマがいけないのは明らかなのですが、ジイサマが放った保険屋がしぶとくて弱りました。結局、ジイサマの過失95%とジイサマの攻撃機ヴィツ号の損害は負担しないという奇妙な示談となりました。あとで気づいたのですが、5%単位で過失認定できるなら1%でもいいんじゃない、と交渉を粘るべきでした。


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