幸せの黄色いホーン 99話 お月見の会

2008年10月11日の夜は、ヨハネスさん、ARISAさんと一緒に、ダークサイド城の屋上でお月見をしながらバーベキューを楽しみました。月は未だ満月ではなかったものの美しく、夜風も心地よいという絵に描いたような夜でした。このオフ会、突然に召集されたため、どうしたのかしら?と思いつつ参加したのですが、それにはちゃんとした理由がありました。ダークサイドシステムが素晴らしい音を出していたのです。もちろん、ヨハネスさんは「いい音になったよ」なんて言わないので、そういう事件が起こっているとは夢にも思いませんでした。システムの変更点は、中央に天使の像(どうして天使なの?)が置かれていたのと、新たに縦方向に並べた2404Hが加わった点です。この2404Hの取り付けスタンドは、とてもよくできており、その製作にはかなり手間がかかっているように思いました。



そのシステムの音ですが、素晴らしい完成度、全体のバランスが完璧、特に印象的だったのが、透明感のある低音。大口径ウーファーを備えているシステムだと、どうしても低音エネルギーが過剰になりがちなのに、そういうことを感じさせません。後日、サントリーホールでパイプオルガンの演奏を聴きながら、これはダークサイドシステムの低音だなぁと思う程だったのです。基本的にパワフルで最低域までよく伸びています。でも、低音に膨らみや濁りがなく、高い質感と分解能によって低音の姿や色彩のようなものが感じられるのです。30Wと4550のクロスを尋ねると、「もう少し上でクロスしようと思っていたから50Hzだと思う。」とのこと。DSC280により30Wと4550の各帯域がきちんと割り振られており、これにダブルの2404Hが加わり、さらに、4550がシステム全体と協調した、あるいは、システムが4550と協調した結果なのでしょう。

ARISAさん秘蔵のMCトランスと、ヨハネスさんのマークレビンソン社製ヘッドアンプの対決。甲乙つけがたく、これは何れも素晴らしかった。しかし、この2つの名品による音の変化を聴きながら感じたのは、そうした変化がシステム全体の基礎というか音の全体像に影響を与えていないことでした。ダークサイドシステムには、それほどの音の完成度がありました。音の好みが違うはずのARISAさん、ごんた先生も「素晴らしい」と感嘆。完璧に調整された大規模マルチアンプシステムの音は、部分的な機材による音の違いや個人の好みを超越するのかもしれません。

こうしてダークサイドシステムの驚異的な音を聴きながら、この先、こんな音が出るまでオーディオを続けるのかと思うとクラクラしてきます。呆然としていると、前の席に座っていたヨハネスさんがニヤリと振り返り、ゴンゴンと拳で演奏中のレコードプレーヤーを叩きます。この完成したばかりの巨大な自作プレーヤーは、しかし、この振動を音に変えることなく平然と演奏を続けていました。


(上の2つの画像はヨハネスさんのブログから転載しました。)

素晴らしい音です、もう手を入れる必要が無いように思えます、と感想を述べると、まだまだ、とおっしゃる。ARISAさんによると、火力オーバーのバーベキューを照らしていた月は十三夜なのだそうです。なんでも十三夜の月は十五夜の満月と並ぶほど美しいとされていたとか。ヨハネスさんにとって、今回の音は十三夜の月なのかもしれません。

家に帰り、ヨハネスさんを見習ってと…ペンキ塗りに励みます。う〜む、なんとなく頑張る方向が間違ってますよね。



home

inserted by FC2 system