幸せの黄色いホーン 88話 PD.2450(3)

そろそろ解体の時期が迫っているモノラル6ウェイと相変らず遊んでいる、というか学ばせてもらっています。ミッドベースを加えてから低音の質感を大幅に調整できることが分かりました。その低音部は、25cm4発のミッドベース、V字型バッフルの38cm4発のウーファー部、そして擬似V字型バッフルの46cm1発のサブウーファーという3ウェイから構成されています。

例えば、サブウーファーのレベルを上げると、ウーファー部のレベルが上げられなくなり弾んだ感じが後退します。そこで、サブウーファーのレベルを下げてウーファー部のレベルを上げると、V字型バッフルらしいパンチがあって弾んだ感じが出てくるのですが、今度は2392+2490Hの質感と合わなくなります。そこでミッドベースとウーファー部とのクロスを調整。120Hzだとウーファー部のキャラクターが強いのですが、100Hzまで下げるとミッドベースの素直な音が支配的になります。ミッドベースはウーファー部と2392+2490Hの質感の橋渡しをしてくれます。

300Hz以下を3分割する必要があるのだろうか?と当初はかなり疑問に思っていましたが、今では悪くないと思うようになりました。こうした調整を通じて得たわずかばかりのノウハウを生かし、黄色いホーンシステムを再調整してみました。モノラル6ウェイのような明快なコントロールは難しいのですが、それでもイコライジングやクロスの調整と音の変化の関係が以前よりも理解できるようになってきました。最低域のブーストが過度であったため、ここを抑え50Hz〜80Hzを少し持ち上げると低音の雰囲気が大幅に変わりました。

一方、PD.2450はどうなったのかというと・・・ 箱を作らなければ始まりません。しかし、この箱の容積には迷いました。当初は500L〜600Lを予定していたのですが、いろいろな箱の設計ソフトで調べてみると300L位が適切な容積として表示されます。PD.2450の推奨容積は130L〜400Lとなっており、この300Lという数値はそれほど異常には見えないのですが、それでも61cmのサブウーファー用ですからもっと大きな箱にしたい・・・

さらに、ユニットが36kgと重いため、バッフル板への取り付けに不安が募ります。ユニットを取り付ける際にバッフル板のネジ穴とユニットのネジ穴をうまく合わせることができるのか、それから、長期間取り付けているとユニットとバッフル板とが張り付きユニットを外せなくなるのではないか。こうしたことも悩みの種。

そこで、今回はバッフル板と背面板を着脱可能にするためにボルトで連結することにしました。ユニットをバッフル板に取り付けて、その後、バッフル板ごと箱に取り付ければ作業は楽ではないかと。また、バッフル板とユニットが張り付いてしまっても、バッフル板ごと箱から取り外すことができれば対処しやすかろうと。それから、箱の容積を増やしたくなったら裏板を外し、新たに製作した側板の延長部分を取り付ければ容積を簡単に増やすことができます。



結局、実効容積300Lを目標にして設計することにしました。24mm厚シナ合板を使用。内寸容積が358L(内寸852W×702H×600Dmm、外寸900×750×663mm)です。補強材、ダクト、ユニット、少量の吸音材により減少する容積を計算すると約38L。したがって実効容積は320L。ダクトチューニングは30Hzを少し切るぐらい。ダクト開口は200×130mm、ダクト長339mmが2本です。



ユニットの取り付け穴の寸法がパンフレットに示されていなかったため、直径568mmの穴を開けたところ、これがハズレ。ユニットがあと少しのところで入りません。仕方がないので578mmの穴を開けた15mmのシナ合板を重ねて事なきを得ました。このため、バッフル板の厚さは39mmになっています。その他にもあちこち手違いがあり製作は一進一退を繰り返したものの、なんとか完成することができました。ああしんど。

home

inserted by FC2 system