幸せの黄色いホーン 86話 PD.2450(1)

モノラル6ウェイとのつきあいは良好です。なんだかんだとDCX2496の設定を変更し聴き比べています。これは楽しい。1008−8HEのミッドベース帯域のさじ加減でシステム全体の雰囲気が大幅に変ります。この帯域が張り出したパンチと厚みのある音、これが段々と心地よくなってきて・・・う〜む、音の好みがふらついて迷子になりそう。

ところで大型ホーンから豊かな響きを得るためにはサブウーファー帯域の低音をたっぷり供給することが大切、というようなことを日頃から感じています。46cmウーファーのローライダー18にはその能力があると思っていたのですが、ヨハネスさんの30W(30インチウーファー)×4発を聴いてしまうと… という訳で、スピーカーユニットのお買い物道楽記もいよいよ大詰め。真打登場です。プレシジョンデバイシズ(Precision Devices)社のPD.2450(カタログ散策の11話をご参照下さい)を2本購入。78話の「馬鹿馬鹿しいシロモノ」とはこれのことです。

この61cmウーファーユニットに興味を持った発端は、海外のPA用サブウーファーシステムの自作に関するBBSを読んでいたため。業務用スピーカーユニットマニアの間で「PD.2450を聴いたことある方はいませんか?」とか、「箱はどういうのが合うのでしょうか?」などという話題が時々出てくる。調べてみると、このプレシジョンデバイシズ社は、ターボサウンド(Turbosound)社と同じ業務用音響メーカーの企業グループに属しており、同社へスピーカーユニットを供給しているようです。最近(2007年)同じ英国のFANE社も買収したようでなかなか意気盛んです。また、プレシジョンデバイシズ社は、タンノイ社へも同社の業務用スピーカーシステム用のユニットを供給しているようです。

ターボサウンド社というとTMS−3やTMS−4が有名です。野外コンサートのような大規模PA用スピーカーシステムで一世を風靡しました。最盛期は80年代後半でしょうか。このTMS−3やTMS−4の活躍により、それまで使用されてきたJBL社の4560や4550をベースとするPAシステムを見かけなくなりました。ターボサウンド社とプレシジョンデバイシズ社の連合艦隊は、JBL社の大規模PA艦隊の撃破に成功した、ということになると思います。でも、現在のターボサウンド社には当時の勢いが感じられません。ターボサウンド社の設立者の一人であるトニー・アンドリュー氏が1992年に同社を辞め、ファンクションワン(Funktion One)社を立ち上げてしまったから?


TMS−3

TMS−3は、15インチウーファー×2+ホーン、10インチミッドベース×2+ホーン、2インチコンプレッションドライバー+ホーンという3ウェイホーンシステムです。上の画像の置き方の場合、幅101.9cm×高さ84.4cm×奥行き57.8cm。重さは134kgです。システム構成から考えると非常にコンパクトだと思います。


TMS−4

TMS−4は、18インチウーファー×1+ホーン、10インチミッドベース×1+ホーン、1インチコンプレッションドライバー+ホーンという3ウェイホーンシステムです。上の画像の置き方の場合、幅50.2cm×高さ114.3cm×奥行き73cm。重さは75kgです。46cm3ウェイという構成にはなんとなく親近感があります。当時、TSM−3よりも斬新なシステム構成だったのではと思っています。


GS−1

話は変りますが、80年代中期に突然出現したオンキョー社のグランドセプターGS−1、なんとなくTMS−3の影響を受けたのではないかと考えています。このGS−1に関してはオーディオ懐古録やオーディオの足跡に詳しい解説が掲載されています。

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