幸せの黄色いホーン 67話 ごんた先生のシステム

ごんた先生のシステムを聴かせて頂きました。ごんた先生はガラクターズ総裁。ガラクタを集めるからガラクターズと呼ばれるらしいのですが、呆れるほど多種多様な素晴らしい機材をお持ちです。全くうらやましい限り。こうした方のシステムには大変興味があります。というのは、様々な機材を自宅で聴き比べられておられるので、こうした経験がシステムの音に生かされていると思うからです。

最初に聴かせて頂いたのはホールのようなとても広い部屋に設置されている5.1chのシネマシステムです。JBL社の純正システムとも呼べるような非常に贅沢な構成であり、大型スピーカーがズラリと並んだ様子は圧巻。左右のメインスピーカーは2360A+2450H、2035H+4508箱、そして2242Hのサブウーハーの3ウェイです。これをM553チャンネルディバイダーによりマルチアンプ駆動。2360A+2450HはM553の内蔵回路によって高域補正がなされ、パワーアンプもJBL社の業務用アンプで統一。


5.1 シネマシステム

このシネマシステムの音は非常に純粋な印象を受けました。鮮やかで浸透力のある2360Aの生のままの音。そしてパワフルで豪快な低音。しかし、純粋さ故に多少厳しい印象も受けました。シネマ用のスピーカーシステムは映画館のスクリーン裏に設置され、そのスクリーンを透過させることにより高域側が拡散されますから、スクリーンがない状態ではこのような音になるのだと思います。このシステムは、これから時間をかけて手を入れられるそうですから今後が楽しみなシステムです。ともあれ2360Aはこういう音のために開発されたということを知ることができ大変参考になりました。



次に聴かせて頂いたのは書斎に設置されている4350スタジオモニターです。4350を聴くのは初めてです。至近距離で聴くことになりましたが、この4350の音には驚嘆しました。比較的小音量だったということを差し引いても、刺激的な音が一切しないのです。音が非常に練れているというか、濃密というか、完璧に調整されているように思いました。おそらく大音量で鳴らしても一切破綻することなく迫真の音が聴けるように思います。アンプは低域がマッキントッシュ、高域がクレルのモノーラルアンプです。何れも常軌を逸するような巨大アンプであり、さらにユーレイの放送局用のコンソール(ミキサー)がプリアンプ代わりに使用されていました。到底真似できないような贅沢かつ独創的な組み合せです。

4350が置かれている書斎にはパラゴンも設置されていました。このパラゴンの音も大変素晴らしかったのですが、お伺いした時間が明け方近くというとんでもない時間帯だったため音量が上げられず、十分にその実力を知ることができませんでした。4350とパラゴンは同じ部屋にあるので、ごんた先生にどちらをよくお聴きになりますか?と尋ねたところ、パラゴンの方をよくお聴きになられるとのことでした。

最後に聴かせて頂いたのは八角柱状のエンパイヤのスピーカーシステムです(大変残念なことにカメラが故障してしまい撮影できませんでした)。このエンパイヤのスピーカーは豪華な応接室に置かれており、マーブルトップの家具調の外観が部屋の雰囲気とよく調和していました。この八角柱状の箱の下方に38cmウーファーが床に対向するように設置されており、側部下方に複数形成されている小さなスリットを通して低音が八方に拡散するという珍しい形式です。ハードドーム型のように思われるツィーターとスコーカ−は、それぞれ一つずつが箱の側方に近接して縦に並べられています。音はまるでオルゴールのような美しさ。しかし、低音がしっかりしているので独特の豊かさが感じられます。大変くつろげる音でした。アンプはマッキントッシュのセパレートアンプであり非常に贅沢なオーディオです。

ごんた先生はこのエンパイヤのスピーカーようなシステムがあればオーディオは十分だと思えますとおっしゃっていました。しかし、こんな具合に語れるのは豪華絢爛な大型スピーカーシステムを複数所有されているからだと思います。この一言に経験と格の違いを感じさせられました。そして、こんなに素晴らしい名器をたくさん聴かせて頂いて幸せいっぱいの一夜でした。

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