幸せの黄色いホーン 52話 CH−1

新しいスピーカーシステムの構成を考えることはとても楽しいものです。そして、未知のスピーカーユニットの音を想像するとワクワクします。難しい理屈は後回し。自作スピーカーでは聴いてみたいユニットを選ぶのが一番ですよね。

まず、最初に中高域のホーンを決めました。これはなるべく大きなホーンにしたい。何故って、システムの外観がぐっと愉快?になるからです。しかし、今回は奥行きを浅く仕上げたいので2360A+2446Hのような大型ホーンの導入は難しそうです。

PEAVEY社にはCH−1という中型ホーンがあります。写真でしか見たことがありませんでしたが、何故かピンとくるものがあり、これにしました。これは大きさの割に奥行きが浅く、価格もサウンドハウスで1本約1万円と格安です。2インチダイアフラムのドライバ用なのでドライバの購入費用も節約できます。うーむ、今回もPEAVEY路線になりそう。

CH−1は1980年代末に開発された定指向性ホーンであり、そう新しいものではありません。外観がそっくりのA/A9040−1という型番のホーンもありました。両者の関係は単に型番の違いなのか、それともスロート径(パンフレットによるとCH−1が0.875インチ、A/A9040−1は1インチ)の違いなのか、そのあたりは良く分かりません。外寸も微妙に異なるようです(どうでもいいけど)。また、22AコンプレッションドライバとCH−1を箱に収め、ネットワークをくっつけたMF−1MK3というホーンユニットもありました。



CH−1の大きさは幅72.4cm×高さ36.2cm×奥行き42.9cmであり、中型ホーンとしてはかなり大きい方。ちなみにJBLの2350は幅80.3cm×高さ20.3cm、それから山本音響工芸のF280Aは幅80.6cm×高さ33cm。1インチスロートだから比べてもしょうがないですけど。

このCH−1の材質は真っ黒の合成樹脂製で重さは約5kgです。指向性は90度×40度、500Hzから使用可能だそうです。どこで見たのか忘れましたが、カットオフは250Hzだそうです。

CH−1のホーン開口部の面積は2360Aの約40%の広さです。ホーンの奥行きは約半分の50%。単純に計算すると40%×50%になりますから、CH−1は2360Aの約20%程度の規模であること分かります。2インチダイアフラムの面積は4インチダイアフラムの1/4の25%ですから、このデタラメな論理によるとドライバの駆動力に対してホーンが大きすぎるということはなさそうです?

PEAVEY社の文献 The Quadratic-Throat Waveguide には、ホーンの歴史が分かりやすく解説されています。辞書をひきひき読んでみるとなかなか楽しめました。

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