幸せの黄色いホーン 45話 ピアノシステムの音出し

ピアノシステム構築の最後の難関?はA501のBTL切替スイッチを切り替えることです。このスイッチにはアンプを作ってから今まで一度も触ったことがありません。キット製品とは言え自作アンプの25年以上触ったことがないスイッチですから、もしかすると煙モクモクかもと恐れたのですが大丈夫でした。

さてさてMG10/2のCRボリュームや3バンドEQなんかを適当にイジッて音を出してみると、なんと目論見どおり2155Hのホーン臭さがほとんど出ません。こんな安物のMOS−FETアンプでも効果があるとは・・・おみそれしました。

このES70のキャラクターは、最近の中国経済の発展を思わせる活気のある音です。それに2155Hのホーン部に耳を近づけてもシーとかサーというノイズがほとんど聴こえません。このES70、スピコン端子の問題もありますが気に入りました。それから、ファンコネクタを外したES70は4時間ぐらい駆動すると結構暖かくなりますが、2155Hの能率が高いせいか熱いというような温度にはなりませんでした。

全体の音はなかなかまとまっています。ちゃんとCDの鑑賞に耐えます。それどころか2155Hのホーンの浸透力と1808−8SPSの厚みがあるキャラクターが混ざり合い、これはこれでかなり気分のいい音なのです。LS−11EXの時とは異なり高能率型業務用ユニット同士の相性の良さを感じます。

それならばという訳でパイプオルガン、エレクトリックベースのソロのCDを再生してみました。これは強烈です。LS−11EXの時にはこういう音は聴けませんでした。2155Hの中高域により低音が一段と生々しくなったように思います。パイプオルガンの音色を選択しリバーブ等をドーンとかけてMP9500を演奏すると地鳴りのような低音に酔えます。



1808−8SPSを鳴らさずに2155Hの音を聴いてみると箱の容積不足のためか低音は控えめです。それに躍動感が今ひとつ。こうした2155Hの控えめな低音が1808−8SPSの低音を邪魔しないためか低音や中低音が膨らむような感じもありません。また1808−8SPSがフルレンジ駆動されているにもかかわらず、ちゃんとステレオの広がりも感じられました。巨大なモノラルシステムになっちゃうかなという淡い期待?はめでたく裏切られました。

厳密にいうと高域がやや薄い感じです。38cm+46cmの厚い低音に負けています。EQ等の調整を追い込んでいってもこの傾向は変らず、2360A+2446Hのような鮮やかさが今ひとつ。でも、粗末な駆動系にもかかわらず、2155Hからこんな風に本気にさせるような音が出たことが一番の収穫だと思いました。



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