幸せの黄色いホーン 107話 アナログプレーヤー

黄色いホーンシステムの引越しの際に倉庫を整理していると、サエクのWE308Lの箱を見つけてしまいました。どきどきしながら開けてみると新品同様のピカピカ状態。25年ぶりの再会、ノスタルジーは人を酔わせます。WE308Lは、ビクターのTT71と積層合板の重量級自作キャビネットと組み合わせて使用していました。さらにTT71にはトランスを別筐体に収めるという改造を施していました。もっとも、重量やそうした改造でどれほど音が改善されているのかさっぱり分かりませんでしたが、何故か当時の思考回路はそういう傾向を好んでいたのです。

WE308Lを見ているうちにアナログプレーヤーを作りたくなりました。とりあえず、ヤフーオークションでTT71を落札しようとしたのですが落札できません。その理由は明らか。ヤフーに利用登録料金を支払っていないため5千円以上の落札ができず、一方、TT71の平均的な落札価格は5千円以上だからです。う〜む。他に中古のフォノモーターはないかと探してみたものの、やはりどの機種も人気があって5千円以上になってしまいます。そんなときにパイオニアのPL−30Lのジャンク品が出品されているのを発見。アームなしですがモーターは回りますとのこと。これを2千円で落札することができました。

WE308LとTT71によるプレーヤーシステムを使用していたころは、このシステムに大変満足していました。このため、その後登場したプレーヤー等には興味がなく、従って、PL−30Lのことも全く知らず、当然思い入れなどもありません。でも、使用してみるとTT71よりも数段進歩したフォノモーターであることが分かりました。トルクがあるように思えますし、また、プラスマイナスの両方向サーボのようです。TT71では停止する際にソレノイド駆動によるパットがこすれる音がしましたがPL−30Lでは静かに停止します。

おっかなびっくり分解してみるとキャビネットから部品を取り外してフォノモーターとして利用できそうなのですが、モーターの底部がキャビネットに固定されているタイプであるためTT71のようにはキャビネットに取付けられません。ここで、昔と同じことをするのは止めよう、付き合い方を変えてみようと思いました。だいたい重量級のキャビネットは作るのが大変です。そんなお気楽思考回路が選んだのがアクリルという素材。重いのか軽いのか、真面目なのか不真面目なのか、なんだか訳の分からない雰囲気が素晴らしい。しかも、1cm厚、10cm四方の面積で120円と良心的なアクリル屋さんをヤフーオークションのショップで見つけ、とりあえず製作してみたのが今回のレコードプレーヤーです。製作過程はこちらを。




このアクリルプレーヤー、お気楽に作れてしまった割には、なんとなく高級感があるような気もしますし、周辺光の状態で表情が美しく変わり、気に入っています。また、木工ではなくアクリルという新たな素材でDIYの経験ができたのが収穫でした。


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