幸せの黄色いホーン 05話 鳴らしこみ(2)

2155Hの高音の方は、エージングを進めても、メガホンのような音はほとんど変りませんでした。音の性質はJBLらしく細身なのですが、こんなにホーン臭い音は聞いたことがないというぐらい臭かった。バイラジアルホーンはホーン臭くないという話を聞いたことがあるのですが。

SONYのCDチェンジャーにはお遊び用のDSPイコライザがついているので、それを使って低音をブーストすると結構な迫力がでます。しかし、これを使っても、何故か音量を上げ気味にしてしまいます。人間の耳の性質だと思うのですが、音量が上がるとチョットしか出ていない最低域のレベルもその音量分だけ上昇するため、小音量では聞き取れなかった最低域が聴取可能になるのかもしれません。

しかし、音量を上げるとホーン臭い高音も目立ちますので、全然ダメです。かといって、音量を下げると低音が萎んでしまい面白くありません。これには弱りました。ちなみに、いつも聴いている音量は、ジャズ喫茶のような大音量ではありません。しかし小音量というわけでもありません。この音量をアパートやマンションで出す勇気はないからです。中音量というところでしょうか。

このホーン臭い高音とは2年程度付き合うことになりました。いつものようにスピーカー台の高さを調整したり、配置やらをやり直したりして低音側はそれなりに追い込むことができたのですが、ホーン臭さのほうは解決できません。

2155Hのテクニカルマニュアルに記載されていたネットワークの回路図をベースに良質のパーツを使ってネットワークを作りなおしたら、とか、ホーンの鳴き止めをしてみようかと考えましたが、そうしたこととこのホーン臭さとは、なんとなく原因が違うのではないかと感じたため、手が出ません。

その昔、ホーンシステムを使っていた新宿の地下に階段を降りていくジャズ喫茶に何回か行ったことがあります。これは、4ウェイか5ウェイ(忘れてしまいました)の大掛かりなシステムで朝顔型のホーンが地下室の壁からニョキニョキと生えていました。それらのホーンは、デッドニングされていましたが、かなりホーン臭かったのです。

結局、ドライバ側にフォステクスのアッテネータを接続して絞ったりもしてみたのですが、抜本的な解決にはなりませんでした。絞ったところで音質は変らないからです。そういえば10F−60のジュラルミンセンターキャップの強烈な鳴きにもずいぶん泣かされました。



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